君のブレスが切れるまで
序幕 【2023年6月~2017年4月】

第0話 赤い眼の少女

 2023年 6月


 今日もまた雨が降っている、これからしばらくは梅雨の季節だ。
 私は赤い傘を差したまま、ふと空を見上げた。
 鈍色の雲が空の全てを覆っている、これでは止む気配はない。しかし、私は少しだけ微笑んだ。こんな雨の日は、あの子を思い出すことができるから。


 話をしたいの、少しだけ聞いてくれるかな?
 今から六年前、地獄の日々から私を救ってくれた一人の少女の話を。そしてその彼女と過ごした、たった一年間だけの話を――


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