政略結婚から始まる蜜愛夫婦~俺様御曹司は許嫁への一途な愛を惜しまない~
『心も身体も、すべてあなたに奪われた』
 一定のリズムに合わせ、音を立てて揺れるベッド。

「零士君、私、もう……」

「もう、なに?悪いけどまだ寝かせてあげないよ。全然足りない」

 零士君はそう言うけど、もう三回目。体力も限界に近づいている。

「凛々子、好きって言って」

 頬に手を添えて目が合うと、零士君はとびっきり甘い顔でお願いしてきた。

 想いが通じ合ってから一ヵ月が過ぎた。そのほとんどの夜、こうして彼に抱かれている。

 そしてここ最近は、毎回私に『好きって言って』とお願いしてくる。最初は恥ずかしくてなかなか言えなかったけれど、言うまで零士君は責めることを止めてくれない。

「ほら、凛々子」

 言うように促してくる零士君に、たまらず私は言った。

「好き。……零士君が大好き」

 すると毎回彼は嬉しそうに微笑む。

「うん、俺も大好き。だからもっと凛々子を感じさせて」

 結局この日の夜も、途中で意識を手離すほど零士君に愛された。
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