恋愛境界線
scene.06◆ イマイチよく判らない人だよね、課長は
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「──芹沢さん、大丈夫?」


「……あー、はい。大丈夫、です」


支倉さんの声に、ウトウトしかけていた意識が呼び戻された。


いつもの会議を終えて片付けをする予定が、いつの間にか微睡(まどろ)んでいたらしい。


支倉さんに声を掛けてもらわなければ、危うくお昼休みを全て睡眠に費やすところだった。


「ファイル忘れて戻ってみたら、芹沢さんがテーブルに伏せってるからビックリしちゃった」


「この場所、陽が差し込むから気持ち良くて……」


気恥ずかしさを誤魔化す様に、あははと笑うと、支倉さんは「みたいね」と優しく微笑み返してくれた。


「というか、それよりも寝不足なんじゃない?パクトケースの件で頑張ってるんでしょう?」


「よくご存じですね。お蔭で、実はもう、眠くて眠くて」


仕事が終わった後、蓮井さんの事務所にお邪魔したり、他社のリサーチや過去のデザイン資料を集めたり、自分なりに勉強もしているせいで、ここ最近は毎日睡眠不足だ。


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