期間限定恋人ごっこ【完】番外編
Next Week
月曜日が来た。
月曜なんか来なくていいと思っていたのに時間は私の願いなんかこれぽっちも聞いてはくれず、カチカチと針を進めていとも簡単に次の週を迎える。
ホテルで、しかも1人で朝を迎えた私は始発の電車に乗って家へと帰った。
家に着いたのは5時すぎ、お母さんはすでに起きていた。
怒られるのかと冷や冷やしたけど「朝帰りとはいい度胸ね~?」と朝から下品な話題を出してきたくらい。
朝帰りしたことを謝り、誤解を解くと関西人並みのツッコミを入れられた。
たとえそうであったとしても、母親と生々しい話はしたくない。
『……はぁ』
学校に行くのが怠い。今まで以上に。
行きたくない。顔を合わせたくないから。
学年は違うけど会わない確率なんてない。
けど、行きたくないと言えない状況になってしまった。
だって…
「早くして!行くよ!」
そう言って玄関で仁王立ちしているユカがいたから。
ユカは珍しく私と学校に行く気らしく…まったくこの子は勘がよろしすぎて怖い。
学校に行きたくない私の腕を引っ張って無理矢理外へと連れ出した。
ユカの手にはしっかりと私の制服がある。
お母さんのやつ……。
あぁ、外は眩しい、日差しが痛い。
『ヤダー』
「はいはい」
『行きたくないでーす。ユカせんぱーい』
「はいはい」
嫌がる私を軽く流すユカはドンドン進んでいく。
…ん?進んでいくのだけれど。
『ねぇ、どこに向かってんの?』
明らかに学校とは別の道を歩いているユカ。
一体どこに向かっているというのだろうか。
訊いても答えてくれないから知る術がない。
「あんた別れたんでしょ?」
すると突然ユカが驚くべきことを口にしたのだ。
まだ誰にも言っていないし昨日のことなのに何でユカはもう知っているのか分からない。
なんで?そう訊こうとしたときユカは「北条から聞いた」と吐いた。