マネキン少女
殺された
羽生るる。
現在中学生になったばかりの、12歳。


親戚のたらい回しにされている為に厄介者の烙印を押されてしまった私は、イラストを書く事によって現実逃避をしていた。


美しい女性
可愛い動物
綺麗な花


それを書く事によって、こんな私が綺麗な何かを生み出した気持ちになれる。


丁度、綺麗な女の人の横から見た姿のデッサンが出来上がった所で部屋のドアをノックする音が聞こえた。


音がした方向に視線を移すと、ゆっくりと木製の扉が開く。


「るるちゃん。今、なにしてるの?」


わたしにそう問い掛けたのは、従兄弟の春。


こんな事を言ったら失礼かも知れないが、何とも言えない重い空気が漂っていて話しづらい。


しかし、今は春の家族にお世話になっている身分だから無理に笑顔を作り返事を返す。


「今、イラスト書いているんだ!」
「イラスト!?」


興味津々な表情でそう返事を返した、春。


まるで、春もイラストに興味を持っているかのような感じがして最悪だった印象がマシになってくる。


「そうだよ。春さんはイラストとか好きかな……?」
「うん!凄い興味ある!もし、良ければるるちゃんが書いたイラスト見せてくれないかな?」




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