皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―【コミカライズ原作】
✳✳✳
「ん⋯⋯」
水面から顔を上げたような、スッキリした目覚めだった。朝日にきらめく豪華な天蓋。透き通るレースシフォンのカーテン。
いつの間にか、私は部屋で眠っていたようだ。
あまりにもスッキリしていて、昨日一体なにが起きたのか、いまいち思い出せない⋯⋯。
けれども、眠っている間はとても温かくて優しいものに包まれていたような気がする。心地よい重みまで感じるような気がしてきた。
そんな思考を携えたまま身体を半分ほど起こしたところで、私はピタリと動きを止める。
「え⋯⋯」
見間違いかしら⋯⋯?
私のベッドに突っ伏すような形で―――ルイナードが寝ている。
硬直すると共に凝視してしまった。
白いシーツに散らばる漆黒の髪。力の抜けきった大きな手が私の手の近くに落ちていて。涼し気な目元は、閉じられていて少しあどけない。ラフな白シャツと黒のトラウザーズ姿は普段着だろうか。椅子の背もたれには、ローブが掛かっている。
そこで、ようやく昨夜の出来事が頭に流れ込んできた。
そうだ。昨夜、夕食を共にする前に、倒れてしまったんだ。
倒れる前にルイナードが受け止めてくれて。恐ろしいことに、そこからの記憶は全くない。
もしかして、ここにいるということは――
「ん⋯⋯」
水面から顔を上げたような、スッキリした目覚めだった。朝日にきらめく豪華な天蓋。透き通るレースシフォンのカーテン。
いつの間にか、私は部屋で眠っていたようだ。
あまりにもスッキリしていて、昨日一体なにが起きたのか、いまいち思い出せない⋯⋯。
けれども、眠っている間はとても温かくて優しいものに包まれていたような気がする。心地よい重みまで感じるような気がしてきた。
そんな思考を携えたまま身体を半分ほど起こしたところで、私はピタリと動きを止める。
「え⋯⋯」
見間違いかしら⋯⋯?
私のベッドに突っ伏すような形で―――ルイナードが寝ている。
硬直すると共に凝視してしまった。
白いシーツに散らばる漆黒の髪。力の抜けきった大きな手が私の手の近くに落ちていて。涼し気な目元は、閉じられていて少しあどけない。ラフな白シャツと黒のトラウザーズ姿は普段着だろうか。椅子の背もたれには、ローブが掛かっている。
そこで、ようやく昨夜の出来事が頭に流れ込んできた。
そうだ。昨夜、夕食を共にする前に、倒れてしまったんだ。
倒れる前にルイナードが受け止めてくれて。恐ろしいことに、そこからの記憶は全くない。
もしかして、ここにいるということは――