秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
あの夜の続きを
 私はダイニングの椅子に腰掛け、壁にかかった時計に視線を走らせる。

 相良さんの帰りを待っていた私は、彼が血相を変えてマンションを出ていってから、落ち着かずに時間ばかり確認していた。

 もうすぐであれから二時間が経とうとしている。

 なにがあったのかな。相良さんがあんなに慌てているところなんて今までに見た覚えがないし、余程の出来事があったのかもしれない。……大丈夫だよね。

 心配で堪らなかった。

 それに、帰ったら改めて伝えたいことっていったいなんなのだろう。

 以前、私が起きて待っているのを気にしていた相良さんが、今日は自分から待っていてくれないかと言っていたのがひどく気がかりだった。
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