素直になりたい。
Ⅳ 期間限定恋人契約
「えー、では明日からは夏休みになりますが、皆さんくれぐれも羽目を外さないように。受験生としての自覚を持った行動を取ってください。良いですね?」

『はーい!』


この人たち、本当に分かってるのかな?


「これにて、HRを閉じます。1学期もお疲れ様でした。では、解散」


先生が教室から去ると、ほとんどの人が一斉に教室を飛び出した。

ほとんどの人が部活を引退したことだし、勉強に勤しむかと思いきや、内部進学を希望しているこのクラスのメンバーはあまり危機感がない。

皆2週間前くらいから、

どこの花火大会に行くのかとか、

夏祭りの浴衣をどうしようとか、

海に行こうとか、

そんなことばっかり話していた。

私には無縁の話だから、耳をシャットダウンして聞き流していたのだけれど、さすがに少し悲しくもなった。

友人がいない、イコール、青春もない。

友達とワーキャー騒がなくても良いけど、せめて普通に話が出来る人くらい欲しかったなぁ。

欲をいえば、カレシも欲しかった。

私のほしいものを何でも買ってくれて、

行きたい場所に連れていってくれて、

悩んでたら一緒に悩んで一緒に解決してくれて、

そんな人に出逢いたかったなぁ。

でも、月1で天羽くんとデートみたいなことを出来るのだから、良いと思わなきゃ。

しかも、まだ誰にもバレてないし。

このまま続けば、もしかしたら卒業式くらいに......

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