幼なじみと恋愛講座をご一緒に。

大学卒業をし、社会人になり実家からだと片道1時間半はかかる職場なのでお互いの両親との話し合いの結果、アパートを借りて一緒に住む事になった。
花乃の体調管理の事は花乃の両親から俺は信頼を得ているので、むしろ同棲を希望したのは花乃の両親だ。
しかし、いきなり花乃が少しの期間でもいいから一人暮らしを経験したいと反論してきた。
まさに寝耳に水。


両家とも同棲するとばかり思っていたのであの場所にいた花乃以外が魚のように口をパクパクしていただろう。

さすがに別々のアパートにはするつもりはなかったので、隣り合わせになるように探すのは大変だった。
花乃の両親からすれば心配で仕方がない事だからか、すんなりお義母さんから部屋の鍵を預かった。


悪いが花乃に言ってない条件がある。
入社して四年。待ったぞ!!


「ちょっ、ちょっと待ってよ!
 同棲はもうちょっとしたらって話でしょ?
 やっと一人暮らしが慣れてきたから、もう少しだけこの生活したいって…」 


やっと喋ったか。
ったく、何がそんなに一人暮らしが楽しいのか教えてくれって理由を聞きたくなる。
基本的には一緒に過ごしてるんだから別々の部屋を借りてる意味が分からない。


「だったら、ちゃんと会話しろよ。
 無口でだんまりは許さない。
 何があったか俺だって知りたいんだよ。
 今日仕事終わったら俺の部屋にいろよ?
 話し合いをするってこと。
 花乃?分かった?」


「やだ。」

はあ?ったく。
花乃の性格でこの頑固さが何処からきてるのが不思議なんだよな。
何が"やだ。"だよ。
そんなの許すわけがなかろうが。




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