最後にもう一度愛を...

“若さん”

私が16歳というのに驚いたのだろう。

沈黙が続いた。


そんな沈黙を破ったのはあいさんだった。


「それにしても里紗ちゃん、なんで追いかけられてたの？」


それは今は言いたくない...


私が困っているのに気づいたのだろう。


『藍。俺もまだ聞いてねぇ、落ち着いたら話してもらおう。』


と彼が言ってくれた。


よかった
ほっとする


「若、承知。」



あ...そういえば名前聞いていなかったな


彼は“わか”さんって言うんだ。


私は彼の名前を知れたことが嬉しくてニコニコしていた。