「昨日も来なかった……」
 ベッドの上で上半身を起こした御國がため息をつくと、部屋を掃除していたメイドーー御國が初日に出会った。は、ビクッと肩を揺らしたのだった。
 メイドは御國の様子を恐る恐る確認すると、また掃除に戻ったのだった。

 御國がモニカとして生活を始めてから、今日で3日が経った。
 その間、ニコラの3時間おきの授乳ーー身体に障るからと昼間しかさせてもらえていないが。以外は、ほとんどベッドでの生活が続いていた。
 御國が部屋に入って来るメイド達の会話を聞いていて、いくつかわかった事があった。

 まず、御國ーーモニカとニコラは親子である事、ニコラの父親は御國が目覚めた最初の日に、様子を見に来た旦那様らしい。
 けれども、モニカと旦那様は夫婦らしい親密な関係では無いようだった。
 最初の日以降、旦那様は一度も部屋にやって来なかった。
 ただ、メイド達の話から様子から、毎日、屋敷には帰宅しているらしい。

 そして、モニカは1か月程前に屋敷内の階段から転落して、ずっと意識が不明のまま寝ていたらしい。
 ーーまるで、元の世界の御國と同じように。
 それなら御國が目覚めた時に、ニコラが寝ていたベビーベッドまで歩く事が困難だった訳も理解した。
 1か月も寝ている間に筋力が衰えてしまったのだろう。