「なぁなでしこ。せっかく細田さんが見い出してくれたんだ。 やってみないか?」

 不安もあるし、正直に言うと怖い。反応を見るのも怖いし、学校に行ったらわたしだとバレないかとか。 色々な不安が押し上げてくる。

 「不安だよな」と、迷っているわたしにリュウは優しく言った。

 「……わたしにはムリだ。絶対に、ムリだと思う。 だけどリュウのチャンスを潰したくないって言うか……」
 
 よく分からない複雑な感情。嬉しいか嬉しくないかで言ったら、たぶん嬉しい。……だけどアニメやマンガばかり興味を持っているわたしに、こんな世界の仕事なんて向いてるはずがない。

 ファッションモデルの世界が厳しいことを今実感してるからこそ、本当にそう思う。夢や目標がないわたしにとって、これは今一番大きな決断だとも思っている。

 だけどそれでも。少しだけ、心の中にあった。やってみたいという気持ちが。

 「……分かった。今回だけ、やってみる」

 考えて、考え抜いて、結果やるって決めた。