いつか再会する時まで
第2章

中間テスト




体育祭が終わって貰った焼肉食べ放題の権利を使って打ち上げに行った。
そして、体育祭が終わると、中間テストが近いわけだけど……私はバイトの方に精を出していた。
体育祭の準備が無くなった分、自由な時間が増えたから。
この頃は常連さんが増えてきていて、仕事がより楽しくなってきている。










ある日、授業中に生徒会室で書類の整理をしていると、電話が掛かってきた。



「もしも『玲音!!』」


返事をしようとしたら、少し怒っているような声が私の声を遮る。
そこで表示されていた名前を見ていなかったことに気づく。


「何だ、葵さんか。」

葵『また名前見てなかったんでしょ!!』


葵さんとはバイト先でピアニストとして働いている音大生で、私の性別を知っている女性。



周りにいた5人の視線に気づき、“ごめん”と手で示す。


「葵さん、ちょっと待ってて。移動するから。」





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