彼女が俺に慣れる時間も必要だが、同居しているのにあまり婚約期間が長いと周囲もよくは思わないだろう。
 結婚するまで凛を最後まで抱くつもりはないが、スキンシップは徐々に増やしていくつもりだ。
 俺の容姿のせいもあるだろうが、彼女は現実の男として俺を見ていないことがある。
 浴場で一緒になっても警戒せずに俺を引き止めた凛。
 彼女に触れたのは、俺を現実の男として見てもらいたかったから。
 もちろん凛が拒めばすぐにやめるつもりでいたが、彼女は最初は戸惑ったものの俺を求めた。
 いい傾向だ。初夜でいきなり抱いてビックリされても困る。
 いずれ夫婦になるのだから、本当の俺を知ってほしい。
『せっかく自制しようと思ったのに、引き止めたお前が悪い。俺も男だ。惚れた女と一緒に風呂に入れば欲情もする。いい教訓になっただろ?』
『……はい』
 小さく返事をする彼女の頬にたまらず触れる。
 途中で止めはしたものの、本音を言えばあの時彼女を抱きたかった。