義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
穏やかな日々
 定期テストは終わり、生徒会の仕事はあるもののそう忙しくはなく、勉強も特に苦労する段階ではなく、友達などの人間関係も穏やか。
 ついでに夏休みもまだ少しある。遊びの計画を立てるのもまだ早い。
 梓の身辺はこのように平和だった。比較的まったりした日々が流れていく。
 ただ、渉は少し忙しそうにしていた。テスト後に練習試合があったのだ。よって、テスト後からは集中的にバスケ部があったらしい。
 でも前述のとおり、生徒会も忙しい時期。なので両立は大変だろうと思う。
 そんな様子、見せない渉だったけれど。
 体も強いようで、一緒に暮らすようになってから、体調を崩している様子は梓は一回しか見たことがなかった。
 それだって真冬に少し鼻風邪を引いてしまったくらい。くしゅん、くしゅんとくしゃみをして、ちょっと喉が痛いと言っていた。
 けれどそのときも薬を飲んで学校へ行っていた。休むことなく。
 生徒会と部活だけは休んで、家で長めに寝ていたけれど。そしてすぐに治ってしまった。
 同時期に梓も風邪を引いてしまっていた。ちょっと時期がずれていたので、移ったとかそうではないと思うけれど。
 転校してしばらく経ってからのことだったので、緊張や疲れが出てきていた時期も手伝ったのだろう。風邪は少々こじれて、三日も学校を休むことになってしまった。
 そのような、真冬のこと。
 当時以上に忙しいだろうに、渉は元気で健康そのもの。梓も幸い元気な時期が続いていた。
 クーラーに当たらないように、しっかり上着などで対策をしていたし。風邪などひいている場合ではない。
 集中練習のあった末の、ある日曜日。梓は友達の『小鳥遊先輩ファン』雲雀らと試合を見に行った。
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