義理のお兄ちゃんの学園プリンスに愛されちゃってます~たくさんの好きをあなたに~
学園の日々
 一日は穏やかにはじまった。今日は少し暑い。もう六月も近いのだから当たり前だろうか。
 六月になると同時に衣替え。初めて着る夏制服になる。夏制服もかわいいので、梓は着るのが楽しみだった。
 それでも今はまだブラウスの上には基本的にジャケットを着ていなくてはいけない。
 とはいえ、ずっと着ていろという話ではないので、ほとんどの子はジャケットを脱いで椅子にかけていた。梓も同じようにする。
 ブラウス一枚になった上半身は涼しくて心地いい。窓の近くの席なので、そよそよと弱い風が入ってくる。
 いい季節だなぁ、と思う。とても過ごしやすい。
 それに慶隼学園、転校当時は中等部だったが、とりあえず、転校してきてもう四ヶ月ほど経ったので学校にもだいぶなじんだ。心穏やかに過ごすことができるようになっている。
 色々慣れた。学校にだけでなく、新しい家族にも、家にも、街にも。
 梓が現在暮らしているのは吉祥寺。オシャレな街として有名なところだ。梓はよく知らないのだけど、『暮らしたい街』というランキングの上位に入るそうだ。
< 7 / 128 >

この作品をシェア

pagetop