ずっとあなたが好きでした。
side 潤
はぁ~……



気が付けば、僕は大きな溜め息を吐いていた。
きっと、それはこの寒さのせいだ。
うん、そうに違いない。
こんなに寒いのに、僕の傍には誰もいないから。



(はぁ…モテないって、寂しい…)



何もそれは今に限ったわけじゃなくて、考えてみたら、もうずいぶんと長い間、僕には恋人がいない。
元々モテるタイプではなかったし、恋愛にも積極的じゃなかったから、こんなことになったんだろうけど…
だけど、やっぱり寂しいな。
寒い季節は特にそう思う。



僕が溜め息を吐きたくなるのも無理は無い。
吹きすさぶ風に、背中を丸めながら、僕はトボトボと家路についた。
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