腹黒策士が夢見鳥を籠絡するまでの7日間【番外編② 2021.5.19 UP】
7日目『誓言』


「まだ恥ずかしい事なんてしてない。これからもっと恥ずかしい思いをするんだから」


 そう言われて、頭がクラクラした。
 もう充分、恥ずかしいことをしている。正直もう限界だ。

 いっそ意識失えたらいいのに、と本気で思ったとき、耳に舌を入れられて、全身が粟立つ。

「ひゃぁあああっ!」

 思わず変な声を上げてしまって、私は目をぎゅっとつぶり、口を自分の手で覆った。
 なのに須藤先生はそんなことも許さないと言うように、その手を取って、ベッドに縫い付ける。

 反射的に口を噤んで、首をぶんぶんと横に振る。
 もう、だめだ。

 もうギブアップだ。
 最初に願った、『さっと、サクっと、さらっと』の3Sにはまったくなっていない。

 全然逆。逆すぎる。
 超がつくほど、ねちっこくてヤラシイ。


「ほら、口を抑えないで。目も閉じない。身体も隠さないで見せて」

「や、先生、もう、無理……無理なの! だめ!」

「だめじゃない。あげは? こんなことされてる相手が僕だって、きちんと見てなさい」


 須藤先生に目を見つめてそう言われる。
 ず、ずるい……。


―――今、その言い方する⁉

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