やわらかな檻
 そして呟かれる、狂気にも似た言葉。


「私だけの、生きた人形でいればいいのに」


 嫌。
 嫌な、はずなのに。

 私は目を閉じ、完全な闇の中に身を委ねた。
 アイマスク越しに感じる、薄っすらとした光からも逃れて。


【人形/終】
< 18 / 143 >

この作品をシェア

pagetop