やわらかな檻


「もし、さやを救いたいと言ったらどうする?」
「救われる? まさか」


 ふ、と嘲るように笑った後、小夜は少し考えて、


「永遠に夜の来ない世界をくれるなら、考えても良いよ」


 赤い唇が紡いだ。


【白夜/終】 
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