春の園遊会だった。
 私や本妻にとっては社交に、仁科にとってはビジネスにと色々忙しい。


 しかし、水を得た魚とばかりに他の企業の社長夫人らと話し、情報を集めている本妻にとってはそう苦でもないようだった。

 私には苦以外の何ものでもないが。


 親の策略など知らず元気に――おそらく、鬼ごっこをしているのだろう――駆け回る子供達を見ながら、どうやら私は考え込んでいたらしい。


 思案の理由は、もちろん慧のことだ。

 子供を見る度に思い出し、ふっと私の心を重くさせる。


「……小母さま? お腹いたいの?」

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