幼恋。

叶ちゃん





翌日のお昼休み


架子ちゃんは本当に友達になってくれたみたいで、今日から沢山話しかけてくれている。


本当に嬉しい。






「おりは〜お昼一緒に食べよう?」



「えっと…」






お昼は友達の少ない私に気を使って、ずっと叶ちゃんと食べてたからどうしよう。

出来れば一緒がいいけど、今まで食べてくれてた叶ちゃんを用済みみたいにするのは嫌だな…。



そう思って返事躊躇っていると
教室のドアのところが何やら騒がしいのに気づいた。






「あ!旬佑!」






架子ちゃんはドアの方を見て、そう言うと私の手を引っ張って騒がしい方へと歩いていく。


そこには、叶ちゃんと叶ちゃんの友達である
中原 旬佑(なかはら しゅんすけ)先輩と
椛が立っていた。



架子ちゃん、先輩と知り合いなのかな?




騒ぎの原因はどうやら椛が叶ちゃんに突っかかっているからのようだけど何かあったのかな?






「旬佑来てくれたんだね!」



「うん、沖田ちゃんと友達になったって言うから一緒に食べれるなと思って!」



「やー、好き〜!」



「俺も好き!」






架子ちゃんは旬佑先輩に駆け寄ってそんなラブラブな会話をし始めたからきっとカップルなんだと悟った。






「沖田ちゃん、今日も叶とご飯だろ?
俺と架子もいいか?」


「あ、叶ちゃんが大丈夫なら大丈夫ですよ」



「おし!決まり!
ほら!叶!行くぞ〜!」






いまいち状況が読めない私の腕を架子ちゃんが掴んで、旬佑先輩も椛と睨み合っていた叶ちゃんの腕を掴んで歩き出す。



とりあえず叶ちゃんと旬佑先輩が友達で
旬佑先輩と架子ちゃんが恋人同士だからご飯一緒に食べることになったってことだよね?






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