いつでもキミが
story2
ライバルとの出会い
「今日から新しく入部する小野寺繭さんです。一言自己紹介を」
「え〜と…小野寺繭、1年です!
6月という微妙な時期に入部してすいません!
ただ、やる気と気合と体力には自信があります!
よろしくお願いしゃーすっ」
そう言って女バスの皆さんにペコっと頭を下げる。
「やる気と気合と体力て…ほぼ一緒やがな!」
「あははっ、繭ちゃんて近寄りがたいイメージあったけど面白い系なん?」
「てゆうか髪の毛ショートにしたの!?
似合いまくりっていうか…どこぞの国の美人が現れたかと……」
初めて見る先輩や見たことのある同学年の女の子もいるが、なんだかみんないい人そうでよかったとホッと胸を撫で下ろす。
「じゃあちょっとまだ先生仕事残ってるから、各々練習しててくれる?
小野寺さんはとりあえず初めてでわからないだろうから、どんなことやるのかそこから見てて」
「りょーかいです」
顧問の先生がまた職員室に戻っていくと、みんなが柔軟体操を始めたので真似しようと一緒に同じように体を動かしてみた。
「……?」
ふと、すごい強い視線に気づく。
その視線の先を見ると、驚いた表情をしている茶髪イケメンと目が合う。
そのイケメンは驚いた様子のまま、バサッと力が抜けたように持っていた記録用のボードを落とした。
なんだ…?
不思議に思い、その人のもとに近づいては足元に落ちたそのボードを拾う。