いつでもキミが
story1
小さい頃の約束
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「まじか…フられるために告る人現実にいるんだね……」
「うん、ここに」
クラスの友人である優菜に、さっきの出来事を報告する。
私のたった一度の初恋はあっさりフラれ呆気なく終わったのだ。
彼の名前は同じ1年の柳沼徹。
私は敬意を評してヤギさんと呼んでいる。
迷いなく私の告白を断ったヤギさんにまた、彼の想い人である鞠のことが羨ましく思えた。
それと同時に、好きでもない人にはあんなに潔くキッパリと断ってくれるなら安心して鞠を任せられる、とも思う。
「まあねえ…2人が両想いってわかってるのに、それを割り込むように好きでいるって相当きついよね……
自分じゃない子に片想いしてる人を好きでいる、ってだけでも辛いのにさ…おまけに繭はライバルが鞠ちゃんなんだもん」
ライバルと言えるほど争ってもいなければ、それ以前に敗北決定だったけどさ……
鞠は私の双子の姉である。本名は小野寺鞠。
そして私が妹の小野寺繭。
あだ名は"でらまり""でらまゆ"。
こっちのほうが呼びにくそう。
双子と言っても確かに顔は似ているが、性格や喋り方、仕草・格好などが全く違うので、最近では周りからも判別しやすいはずだ。
同じ格好をして、ただ突っ立ってるだけだと間違われることは多いけど……