いつでもキミが
story4
違和感の芽生え
「夏だーー!」
「花火だーー!」
「バーベキューだーー!!」
「違う、合宿だ!本来の目的忘れんなよ〜」
現地に着くと、いつもより騒ぐ先輩男子に、男バス顧問の先生が喝を入れた。
そんな姿を横目に女子バスケ部は淡々と会場へ入っていく。
現在私たちは、夏休みに突入し、毎年恒例らしいバスケ部の合同合宿に来たのだ。
女バスの先輩たちはもう慣れっこなのだろう。
スイスイと足を進めていくので置いて行かれないようついて行くことに必死。
しかし内心テンションが上がっているのは私も男子と同じ気持ちである。
ふとはじめちゃんのほうを見ると、いつもと同じ顔。ただのイケメンだった。
喋らなくても顔がいいだけで一際目立つ。
既に到着していた他校の女子生徒が、チラチラとはじめちゃんのほうを見ていた。
周りで騒いでる先輩たちがアホに見える。それはそれで面白いからいいんだけど……
「……確実に騒がれるやつだ」
その予感は的中し、現実となる。