「君は運命の相手じゃない」と捨てられました。
第2章 ミア・ウェルツナー
ミアの名前はミア・ウェルツナー。

可愛いウサギの獣人よ。

ミアには大好きな人がいる。出会うことすら奇跡と呼ばれた存在。ミアの運命。

それがディアモン・ジュノン。

し・か・も!なんと!侯爵令息!

玉の輿じゃん!

こんな奇跡が立て続けに起こるなんて、ミアは選ばれた存在なのかしら。

きゃっは

ディアモンには婚約者がいたけど問題ない。だって運命の相手はミアだから。さっさと婚約破棄してもらおう。

まったく。ミアの男をとるなんて最低。きっといろんな人に媚びを売ってる娼婦みたいな女ね。

常識なんて通じない。頭がお花畑でできてるのよ、きっと。

どうしよう。そんな人が元婚約者ならミア、虐められるかも。シクシク(´A`。)グスン

でも大丈夫!ミアにはディアモンがいるから。

ディアモンはミアのこと守ってくれるよね。

だってディアモンはミアの番だもん。守ってくれるでしょ。ミアのこと、幸せにしてくれるでしょ。

ミアは可愛いからたくさんの人がミアに優しくしてくれるの。

ダニエル、メーラー、ベラミン。

みんな私の大切なお友達。

男の子だからディアモン、妬くかな?

そう思ってディアモンを見たらちょっとイライラしてるみたいだった。

ダニエル達にも冷たい態度。

うふふふ。嬉しい。

「ちょっといいかしら?」

モテモテの私はたまに一人になりたい時がある。

ぶらぶらと一人学内を歩いているとブス女に声をかけられた。

「なぁに?」

私の返答になぜかブス女は眉間にシワを寄せる。嫌なら声をかけなければいいのに。

こっちだってあんたみたいなブス女と関わり合いになりたくないし。

同類だと思われるのも嫌。

「あなた、私の婚約者に手を出さないでくださる?」

は?

なんか分からんけど冤罪をふっかけられた。

やだな、これだからブスは。すぐ難癖をつけるんだから。

私が可愛いからって。

女の嫉妬って本当に醜いわよね。

「変な言いがかりはしないでよね。あんたみたいな女の婚約者なんか知らないし」

「ダニエルよ!私の婚約者は!」

びっくり仰天!?

思わず吹き出しちゃった。

「何がおかしいのよっ!」

顔を赤くして、ぷるぷる震える姿がまた笑える。

「あんたみたいなブス女とダニエルが婚約だなんて笑う以外に何をしろって言うの?あははは。もう、ダメ。お腹が痛い」

笑い過ぎて目から涙が零れた。

「つり合ってないじゃん」

「っ」

パシンっ!

いったぁい。この暴力女。だからブスとは関わり合いになりたくないよね。

「ミア!エステル、ミアに何をするんだ」

「・・・・っ。ダニエル」

ダニエルは叩かれたミアの頬にそっと触れる。

そんなダニエルをエステルとか呼ばれてたブス女は憎々しそうに見る。

それはダニエルも同じだった。

なぁんだ。もう既に仲が冷えきってるじゃん。さっさと別れればいいのに。何でまだ婚約者の座に居座ってんの。

それでとばっちりで叩かれるとか意味不明だし。
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