分岐点  ~幸せになるために
7

暮れの30日に 帰省した私。

両親と一緒に 大掃除を手伝って。


「自分のアパートも やっと 大掃除したところなのよ。」

「たまには 親孝行も いいでしょう。」


膨れる私に 母が笑いながら 言う。


「元気に暮らしてることが 十分 親孝行でしょう?」

「離れてると 何かと心配なんだから。」


「嘘ばっかり。忙しくて 私のことなんか 気にしてないくせに。」

「そうでもないよ。沙耶香も 親になれば わかるよ。」


「いやだわ。そういう言い方。」

「どうなの? 東京に 良い人 いないの?」

「ほらね。そういう話しになるじゃない。」


「年頃なんだから。仕方ないでしょう。」

「やっと 仕事に慣れた所なのに。東京は 地方と違って 晩婚なのよ。」

「そうやって 余裕でいると 一年なんて あっという間だから。」


「それは私も思うけど。ムッちゃん、来年から 幼稚園だって? ホントに 早いわね。」


姉の子供は 来年3才になるらしい。

私の年に 姉は 結婚していた。


東京は晩婚だけど。

私 結婚相手も 見つけられないのに。


不倫なんか している場合じゃないよね…








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