またいつか君と、笑顔で会える日まで。
青木萌奈side
ざわつく教室の中で一人席に座って物思いに窓の外を眺める。
学年が上がり教室が4階から3階になっただけで私の日常はとくにこれといった変化はない。
そもそも変化など起きなくてもいいのだ。このまま波風のない穏やかな学校生活を送ることが私にとってとても重要なことだから。
視線を机に落とす。今年は当たりだ。机が去年よりも新しい。
「あっ、リリカまた同じクラスじゃん!よろしくー!」
「よろしく~!」
甲高い声と同時に前の席にやってきた女子生徒が勢いよく椅子を引いた。
椅子の背が後ろの席の私の机にぶつかり、驚いて体をビクッと震わせた。
「あ、ごめんごめん!あたし、力ありあまってて」
「いえ、大丈夫です」
彼女と目を合わせることなくそう答えて机の木目に視線を落とす。
「あたしたちって同い年なんだし敬語やめようよ」
椅子の背もたれを抱きしめるように後ろ向きに座った彼女は俯くわたしの顔を覗き込んだ。
彼女の視線から逃れるように更に俯くと、「ははっ!そんなかたくなに嫌がんないでよ!」と彼女はケラケラと明るい声で笑う。
それが私、青木萌奈と一橋リリカの出会いだった。
学年が上がり教室が4階から3階になっただけで私の日常はとくにこれといった変化はない。
そもそも変化など起きなくてもいいのだ。このまま波風のない穏やかな学校生活を送ることが私にとってとても重要なことだから。
視線を机に落とす。今年は当たりだ。机が去年よりも新しい。
「あっ、リリカまた同じクラスじゃん!よろしくー!」
「よろしく~!」
甲高い声と同時に前の席にやってきた女子生徒が勢いよく椅子を引いた。
椅子の背が後ろの席の私の机にぶつかり、驚いて体をビクッと震わせた。
「あ、ごめんごめん!あたし、力ありあまってて」
「いえ、大丈夫です」
彼女と目を合わせることなくそう答えて机の木目に視線を落とす。
「あたしたちって同い年なんだし敬語やめようよ」
椅子の背もたれを抱きしめるように後ろ向きに座った彼女は俯くわたしの顔を覗き込んだ。
彼女の視線から逃れるように更に俯くと、「ははっ!そんなかたくなに嫌がんないでよ!」と彼女はケラケラと明るい声で笑う。
それが私、青木萌奈と一橋リリカの出会いだった。