精霊たちのメサイア

11.王都

11.王都


テオのバースデーパーティーの準備でお屋敷の中は慌ただしかった。それでもお父様とお母様はいつもと変わらず、のんびりと過ごしている。私はジュリオとお絵描きをしたり、ピアノを弾いてあげたり、お庭を探検したりして過ごしている。テオとは主に食事の時に話をするだけで、知人以上友達未満の様な関係。


「行きましょうか」

「うん!」


今日はお父様とお母様と街へお出かけする。今日の1番の目的はテオの誕生日プレゼントを買うこと。

着いた場所は立派な建物が並んでいた。歩いている人達も綺麗な洋服を着ている。俗に言うセレブ?みたいな人たち。


「このエリアは中流階級から上流階級の皆様が多いエリアになります。 王都の中で一番治安がいいと言われる場所です」


いつもの様にサラが丁寧に説明してくれる。

やっぱりお金持ちのエリアなんだ。だからどのお店にも警備みたいな人が立ってるんだ。


「テオへのプレゼントは何にするんだ?」

「ブローチにします」

「あら、いいわね。 きっと喜んでくれるわ」


テオはいつも襟元にブローチを付けている。ここ数日で同じブローチを付けてるところを見てないから、沢山持ってると思う。多分好きなんだろう。

お父様おすすめの洋服店に連れてきてもらい、VIP専用ルームです!といわんばかりの部屋に通され落ち着かなかった。両親はもちろん落ち着いている。

いくつかブローチを見せてもらい、サラに私のお小遣いで買えるのはどれかこっそり聞くと「全て大丈夫ですよ」と言われたので剣に水色のストーンがはめ込まれているシンプルなデザインのものにした。テオは水の精霊と契約してるっていってたからぴったりだと思う。喜んでもらえるといいな。

買い物を終えた後は軽くお茶をして、お願いしていた教会を訪れた。適性検査で行った教会も綺麗だったけど、王都の教会は比べ物にならないくらい大きくて豪華だ。それに敷地内に入った瞬間、なんだか空気が変わった気がする。

着いてびっくりした事はそれだけじゃない。何故か知った顔の人が待ち構えていた。お父様が事前に連絡していたのかな?と思ったけど、どうやらそうじゃないようだ。


「これは驚いた。 我々が来る事を何故知っておられたのでしょう?」


いつもと変わらない様子に見えるけど、お父様は少し警戒しているようにも見えた。


「突然の出迎えを不快に思われたのでしたら謝ります。 申し訳ありません。 本日レイラ様が教会本部を訪れるであろうと聖下がお告げを受けましたので、お出迎えにあがりました」


フェニーニ枢機卿がわざわざ出迎えてくれるのはありがたいけど、少し目立ってるのが居心地悪い。というか、ベアトリス様もわざわざそんな事に神のお告げを使わなくても……。ちょっと呆れてしまった。

教会でお祈りをした後、私だけ別室に呼ばれた。付いて歩いてるだけということもあるだろうけど、中々の距離を歩いてるから帰りは誰か一緒じゃないと教会から出られないかもしれない。案内された場所は大きなお庭だった。庭というより庭園だろうか。自然あふれる感じだけど、人の手がしっかりと行き届いている。大きな木や色とりどりのお花が植えられている。日当たりもとても良い。それに空気が澄んでる。


「お呼び立てして申し訳ありません。 私は聖下を務めているローゼンハイムと申します。 レイラ様、お会いできて嬉しいです」


とても美しく存在感はある筈なのに、この美しい景色に溶け込んでいる様にも思える不思議な人。年齢も見た感じだと二十代前半だけど、雰囲気はそれよりももっと落ち着いている。


「初めまして、ローゼンハイム聖下。 お招き頂きありがとうございます」


こういう時に咄嗟に敬語が使えるのは、日本での経験は無駄ではなかったんだなと思う。




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