白いジャージ ~先生と私~
第3章

身近なライバル

あの夢のようなドライブから、まだ一度も先生と話してないんだ。


一度だけ、廊下ですれ違った時に

2人にしかわからないように『ニコッ』って笑ってくれた。



先生・・・・・


会いたいよ・・・


話したいよ・・・



もっともっと大好きになっちゃったよ。

この気持ちはもう止めることなんてできない。


先生が、大好き!!!!



「え~~!?依子、拓郎君とは、どうなったのよ?なんで急に?」

私の1番の親友、ゆかりの珍しい大声に、ハッと我に返る。


昼休み、食堂帰りの中庭は、私達の癒しスポットなんだ。


「同い年は、子供なんだよね。やっぱ大人の男だよ。あたし、マジ頑張るから。新垣!」

いつもの仲良しメンバーの一人、依子が、話に着いていけてない私の腕を掴む。

今、『新垣』って先生の名前が聞こえたような気が・・・?


「ねぇ、直!!聞いてる?どう思う?」

「え?何?」

少し嫌な予感が頭をよぎる。

「あ・ら・が・き!新垣先生のこと、好きになろっかな、って言ってんの。」

・・・・・・・


誰にも内緒の私の恋には、こういう危険があったんだ・・・。

恋って・・・先に言ったもん勝ちみたいなとこあるし、今更言えない・・

後悔とショックとで、頭の中が真っ白になり涙が溢れ、急いでトイレに駆け込んだ。


小学校の頃にも、こんな経験があったっけ・・

『好き』と思った子がいたんだけど、みんなに話そうと思ったその日に、別の友達が『好き宣言』しちゃった。


でも、あの時とは違う。

誰かが好きだからって違う男子を探していたあの頃とは・・・

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