白いジャージ ~先生と私~

音楽室での秘密

教室へ帰る私たち六人を追い抜かす大きな背中。


無意識にジャージのすそを掴みそうになる。


「先生!あけましておめでと~!!ねぇ・・今度先生ん家遊びに行きたい!!」


依子の手が、先生に触れる。


何度この光景を目にしても

やっぱり胸の奥がチクンとしてしまう。


振り向いた先生と目が合っちゃって、ふくれた顔を見られた。


先生は、

「俺ん家来ても、なんもないよ。もし来るなら、突然来るなよ。彼女に誤解されるからさぁ。しかも、来るならみんなで来い。お前らみんなで!!」


そう言うと、くるっと前を向き歩き出す。


< 182 / 480 >

この作品をシェア

pagetop