白いジャージ ~先生と私~

言えない「スキ」

髪を乾かしながら、ゆかりにさっきの出来事を報告。

「直!良かったね~!!!!それ、すごいよ。期待しちゃっていいんじゃない?」

ゆかりは興奮しながら、私のお尻をペチペチと音を立てて叩く。

自分のことのように喜んでくれるゆかりが、本当に好きだなと思う。


「直、帰ったら絶対電話してよね。私、眠れないよ~!」


更衣室の外から、先生の声がする。

大好きな先生の声は、どこにいたってわかるんだ。

低い声、笑うと高くなる声、怒るともっと低くてコワイんだ。

よく通るその声のせいで、教室まで先生の体育の授業の声が聞こえちゃう。

先生は知らない。

先生の声が聞こえると、授業どころじゃなくなっちゃう私のこと・・・。



「だーめ!いくら頼まれてもゼロにはしない。せめてあと一回だな。」

「マジで??先生ありがと!!やった~~!!」

補習の回数を交渉中の男子は、なんとかあと一回の補習にしてもらえて、大声で喜んでる。


ゆっくり髪を乾かし、更衣室を最後に出た私達。

「お前ら、相変わらず遅い。中田は、補習半分にしてやる。」

中田とは、ゆかりのこと。

「やった~!新垣先生、サンキュー!そのかわり、直は、毎日補習にしてやって。」

そんな事言うゆかりの背中を叩きながら私が照れると、先生も笑う。


「あ・・・女子更衣室の鍵、あとで教官室まで持ってこい。矢沢!」
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