白いジャージ ~先生と私~

夏休み

夏休みはバイトと勉強の毎日。



やっと


すこし未来が見えた。



夏休み前の進路指導で先生に伝えた。



『私・・・介護の専門学校に行きたい。』


先生は、優しく微笑んで 山積みの資料をくれた。




正直、自分のやりたい事や自分に向いていることなんて

まだわからない。


大学に行くことも考えたけど

ただ遊ぶ為に大学に行くのももったいない気がした。



出会いを求めるには大学ってすごくいい場所だと思うけど

私はもう運命の相手に出逢ってる。


手に職を付けたいという想いから、お姉ちゃんのバイトに何度か顔を出した。

お姉ちゃんの言ってた意味がわかったんだ。



『ありがとうね・・明日も会えるかしら。』


しわくちゃのおばあちゃんの手に握られた私の手はあったかくなった。

心までそのぬくもりが伝わる。

私を待ってる人がいるんだと思うと、疲れなんて感じなかった。


私の専門学校への進路決定を誰よりも喜んでくれたお姉ちゃんは

毎晩通信講座で福祉の勉強中・・


夜中に一緒に勉強する時間がとても大事で

泣きそうになることがある。


夏休みは、忙しかった。


そのせいで、先生に会えないことが思った以上に辛くなかった。


目標が見えたからかもしれない。

今までは先生ばかりで・・・先生だらけの私だった。



もっと自分を磨きたい・・

卒業式に先生に褒めてもらえるように、

惚れ直してもらえるよう・・


素敵な人間になりたいんだ。
< 454 / 480 >

この作品をシェア

pagetop