白いジャージ ~先生と私~

奇跡


先生と付き合うことになったんだ。


先生に・・告白されたんだ・・・・・・私。



夢じゃないかと何度も頬をつねる。

嬉しくて眠れない夜に、先生に手紙を書いた。

今の気持ちを忘れないために・・・


翌日、先生との『特別補習授業』が待っていた。

帰り際に、車の窓から顔出して、先生が言ってくれた。


「明日も、会いたいんですけど・・・補習来る?」


会いたいんですけど・・・・・だって。

夢じゃないよね。

私が、先生をあんなに追いかけていたのに、今は先生は追いかけなくても私を見てくれる。


翌日の朝・・・奇跡のようなことが起きた。


朝9時に起きた私が台所で見た光景。


「おはよ・・なお。」

お姉ちゃんが、朝食を食べていたんだ。

おはようって言ってくれた。

こんなことって・・・ある??


先生は、いろんな贈り物を私にくれる。


「ねぇ、直。アイツいいやつじゃん。」

お姉ちゃんから、こんな風に話しかけてくることが嬉しくて、声が上ずる。

「え・・え?あぁ、先生?そうでしょ??」


「あんた、アイツのこと好きなんでしょ?」

お姉ちゃんは、目線はテーブルに落としたまま少し笑った。

笑顔・・・かわいいのに。

笑顔のお姉ちゃんのほうが、ずっと素敵だよ。



「・・好きじゃないよ・・・!!ねぇお母さん。」

動揺しまくりの私は、なぜかお母さんに助けを求める。


台所で、目玉焼きを焼いているお母さんは、私に追い討ちをかける。


「見ればわかるわよ。そりゃ、好きになるわよねぇ、かっこいいもん。」

お・・お母さん・・・

でも、かっこいいって言ってくれてついつい嬉しくて興奮しちゃう私。


「でしょ???かっこいいでしょ?」


「あははははは・・あんたバカ・・」

お姉ちゃんは、お母さんと目を合わせて、

「バレバレじゃんね~?」

って・・笑った。


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