白いジャージ ~先生と私~
第10章

夏の終わり


先生と別れてから、1ヶ月が過ぎた。

私は、普通に生活できるようになった。


最初の1週間は・・・


笑うことも、辛かった。



以前と変わったこと・・・


先生を目で追わなくなったこと。


先生を避けるようになったこと。


授業中以外、先生と会うことがなくなったこと。


会いにいこうとしなければ、先生に滅多に会わないんだと気付いた。

廊下を歩く先生が、いつも目の端に映る。

私は、先生の気配を感じると、窓の外を見るようになった。



授業中・・先生が、何事もなかったかのように、私の名前を呼ぶ。


そのたびに、胸の中がえぐられるような痛みが走った。





夏の終わりと共に・・・・


短い私の恋も終わった。


本当は終わってなんかいない。


だけど、無理にでも終わらせないと、私は消えてしまいそうだった。



< 95 / 480 >

この作品をシェア

pagetop