恐怖ダウンロード
2度目
翌日、あたしは夢と待ち合わせをして登校していた。


靖への恐怖がいつ、どのタイミングで起こるかわからないからだ。


もしかしたら昨日と同じように早いタイミングかもしれない。


「昨日は家に来てくれてありがとう。お母さん喜んでた」


「ただ遊びに行っただけじゃん」


夢の言葉にあたしは左右に首を振り、普段の様子を話して聞かせた。


「そっか。靖子の両親って厳しいんだね」


あたしがイジメられているとわかっても、自分でどうにかしろと突き放す。


それは間違ってはいないと思う。


だけど、甘えられる人がいないのは辛いときもあった。


それから2人で他愛のない会話をしながら学校へ向かった。


残念ながら、今日は靖の姿を見ることもなかった。


「あぁ~ムカツク!」


D組へ入った瞬間、そんな美紀の声が聞こえてきてあたしたちは同時に立ち止まった。


なんだか嫌な予感がする。


しかし、すでに教室内へ入ってしまった。


そして美紀があたしたちに気がつき、近づいて来たのだ。


咄嗟に逃げ出そうとするが、あたしの手を美紀が掴んでいた。
< 36 / 230 >

この作品をシェア

pagetop