白豚王子育成計画〜もしかして私、チョロインですか?〜

食事編



「リリリ、リイナ。今日のお菓子なんだけどね――――」

「お止め下さい、エドワード様!」

 朝の散歩を始めて、二週間。

 徐々に王子の足取りも軽くなってきたように思える今日このごろ。私は今までずっと黙っていたことを、勇気を持って告げることにした。

「そのお菓子生活、お互いに控えませんか?」

「え?」

 朝食はお互い帰ってから。ということで、散歩の終わりにピクニック気分でお菓子を食べる習慣は、正直楽しかった。日替わりにエドワード様が持ってくるお菓子はどれも美味しく、朝の心地よい風を満喫しながら、数分だけのティータイム。短い時間だから白豚王子との世間ばなしも苦にならないし、なかなか気に入っていたのだが。

 私は気づいてしまったのだ。

 お菓子は太る。

「だだだ、だってリイナ。食細いでしょ? 少しでも栄養あるもの食べないと――――」

「おかげさまで、徐々にウエストが苦しくなっております」

「わぁ、そうなんだ! 良かったぁ。あ、でも僕、女性が少しくらいふくよかでも全然気にしないし、リイナと一緒にお菓子食べるの好きだからこれからも一緒に――――」

 体調を心配してくれるのは嬉しい。
 だけど、

「お断りします!」

 それとこれとは、話が違うのだ。
 そう――王子がいかにションボリしようと、お菓子は太る。その原理は覆らないのだから。

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