イノセント ~意地悪御曹司と意固地な彼女の恋の行方~
この出会い、望んだ覚えはありません
嫌な客
バンッ。
突然響いたテーブルを叩く音。
ちょうどホールに出てきていた萌夏は音のした方向に視線を向けた。
「だから、俺はコーヒーを頼んだんだよ」
わざわざ周りに聞こえるように言っているとしか思えない大声。
「しかし、ご注文はレモンティーと」
「いや、違うね。俺はコーヒーを頼んだんだ」
ここは最近人気のベーカリー。
チェーン店で都内だけでも10数件あるけれど、品質の良さとイートインコーナーにはカフェを併設した人気のお店。
いつも若いお客さんで賑わっているんだけれど・・・
店の奥にある喫茶コーナーから聞こえてくる会話を耳にしながら、『違うって言うんならレモンティーを下げて、コーヒーをお持ちすればいいのに』単純にそう思った。
客商売をしていれば小さなトラブルは避けられないし、その場で店側が意地を張っても解決はしない。
ここは多少不満でも、お客さんの言うことに従うしかないんだから。
「しかし・・・」
それでも引こうとしない店員。
ちょうど混み合う時間で、厨房の中にいる人間にはホールの騒ぎが聞こえていないらしい。
これ以上騒ぎにならないうちに店長を呼ぼうかと考えて、萌夏は足を止めた。
見ると、対応しているのはバイトの後輩。先月入ったばかりの明奈ちゃんだ。
でも、おかしいなあ。
明奈ちゃんはまだ高校生だけれど、しっかり者でお客さん対応も上手い。
間違ってもトラブルを起すような子じゃないんだけれど・・・
それに明奈ちゃんが対応しているお客さん、すごーく嫌な感じがする。
突然響いたテーブルを叩く音。
ちょうどホールに出てきていた萌夏は音のした方向に視線を向けた。
「だから、俺はコーヒーを頼んだんだよ」
わざわざ周りに聞こえるように言っているとしか思えない大声。
「しかし、ご注文はレモンティーと」
「いや、違うね。俺はコーヒーを頼んだんだ」
ここは最近人気のベーカリー。
チェーン店で都内だけでも10数件あるけれど、品質の良さとイートインコーナーにはカフェを併設した人気のお店。
いつも若いお客さんで賑わっているんだけれど・・・
店の奥にある喫茶コーナーから聞こえてくる会話を耳にしながら、『違うって言うんならレモンティーを下げて、コーヒーをお持ちすればいいのに』単純にそう思った。
客商売をしていれば小さなトラブルは避けられないし、その場で店側が意地を張っても解決はしない。
ここは多少不満でも、お客さんの言うことに従うしかないんだから。
「しかし・・・」
それでも引こうとしない店員。
ちょうど混み合う時間で、厨房の中にいる人間にはホールの騒ぎが聞こえていないらしい。
これ以上騒ぎにならないうちに店長を呼ぼうかと考えて、萌夏は足を止めた。
見ると、対応しているのはバイトの後輩。先月入ったばかりの明奈ちゃんだ。
でも、おかしいなあ。
明奈ちゃんはまだ高校生だけれど、しっかり者でお客さん対応も上手い。
間違ってもトラブルを起すような子じゃないんだけれど・・・
それに明奈ちゃんが対応しているお客さん、すごーく嫌な感じがする。
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