イノセント ~意地悪御曹司と意固地な彼女の恋の行方~

予想外の展開

「おはようございます」
「萌夏ちゃんおはよう」

社員通用口から厨房を通りロッカーへ向かいながらスタッフに挨拶をする。
昨日は明奈ちゃんの代わりに閉店まで働いたから、今日は遅めの出勤。
もうすぐお昼という時間に萌夏は出社した。


「小川さん、ちょっといい?」
通用口から入り着替えのためロッカーへ向かおうとしたところで、突然店長からかけられた声。

いつもは『萌夏ちゃん』と呼ぶ店長が急に名字で呼んだことにも違和感があり、足が止まった。
こういう時は何か良くない話をされることが多い。

えっと、何かミスをしたかなあ?
昨日は色々と大変だったけれど、明奈ちゃんの件以外にはクレームを言われた覚えもないしトラブルだってなかったはず。

考えを巡らせながら立ち止まっていると、

「いいからちょっと来て」
珍しく苛立ち気味の店長のあとについて、萌夏は事務所へ入って行った。
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