私があなたを殺してあげる
智明の真実

 智明への気持ちを確信してから三日が経った。私はドラッグストアへ行くのを我慢していた。

 この気持ちを確信した後ですぐに会うのは恥ずかしいし、毎日行って疎まれたくない。とにかく今は間を置きながら、週に二回くらい会いに行こうと決めた。

 そしてその週二回の日が今日だ。我慢して今日こそ会いに行こうと決めていたのに、浅尾さんの友人の誕生会がスナックで開かれることになり、私たちはそれに付き合って朝5時まで付き合わされていた。それなのに幹事を務める浅尾さんは2時前には加寿実さんと二人で店を出て行った。この場を放り出しふけたのだ。


 解放されたのは午前6時、片付けやなんやらで家に付いたのは午前7時だ。当然、智明には会えなかった。

 疲れた私は帰るなりベッドの上へ倒れ込むように体を沈めた。


「ああ・・・ 智明に会えなかった・・・ 今朝は出勤日で必ずいたはずなのに・・・ ああ、浅尾さんの馬鹿野郎~」

 私は枕に顔を埋めながら、右手で布団を何度も殴りつけた。


「しかし浅尾さんって元気やなぁ~ 五十八歳だっけ? 必ず週に二回は店に来てるし、加寿実さんとの時間も過ごしている。それから朝帰って仕事でしょう? よく体力持つよなぁ・・・ 酒屋さんって、そんな楽なのかな? 働かない息子のせいで自分が働かないといけないんでしょう? でもまぁ、そんな家庭の状況じゃ、しんどくても遊びたくなるよねぇ・・・ しかし、自分の友人の面倒くらいは自分で見ろって言うの・・・」

 私はそのまま気を失うように眠ってしまった。



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