未来の種
「……じゃあ、これ、サインしてくれる?」

そう言って、優は私達が記入を済ませた婚姻届を取り出した。

「亮平は大丈夫なのか?」

亮平とは私の父、藤田亮平だ。

「はい。誠おじ様と紫おば様の承認がいただけたら認めるって。」

「そうか…。
ミイちゃん、これにサインしたら、お義父さんって呼んでね? パパでもいいけど。」

「…やめろ。パパはない! 
ミイ、お義父さんでいいからな。」

「……ハハハ…」
  
こうして私達は、温かく優しい家族に祝福され、晴れて夫婦になった。







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