妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~

1-2

 離宮で暮らし始めた当初、カテリアーナは人に怯えていた。無理もない。これまで周りの人間に虐げられて育ったのだ。

「何故、このような状態になるまで幼子を放っておいたのか?」

 クローディアは息子に対して、あらためて怒りを露にした。

 カテリアーナが「『妖精の取り替え子』ではないか?」という噂は離宮にいるクローディアにも届いている。だが、クローディアはたとえ『妖精の取り替え子』だとしても、カテリアーナを実の孫として愛そうと決めていた。

 実際、人に馴染み始めたカテリアーナは愛らしく、クローディアは心から孫を愛おしいと思った。
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