妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~

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 王太后クローディアの葬儀が終わると、国王はカテリアーナを王宮に呼び戻し、北の塔に閉じ込めた。

 祖母との思い出が詰まった離宮に残りたいというカテリアーナの希望は無視された。

 カテリアーナの持ち物は没収され、唯一持ち出せたのは祖母の形見のドレスと弓だけだった。それと鍵のペンダントだ。これだけはやはりカテリアーナにしか見えないようで、取り上げられることはなかった。

 北の塔は昼でも陽の光がささない。中はじめじめとしてカビ臭く暗い。まるで牢獄のようだ。

 カテリアーナにあてがわれた部屋は北の塔の最上階だ。

 狭い部屋には固いベッドと粗末な机と椅子が置かれているだけだった。

 塔の中であればどこにいってもよいという許可がおりたが、他の部屋は物置部屋で使うことはできない。
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