2番目の恋
「俺、高校3年間ずっと美織のこと好きだったよ。」

笹崎からの突然の告白。
昔のことだけど。

「まあ、美織はいっつも平良とか東高のやつとか1年のやつとか塾講とか、いろんな恋に忙しかったもんな。」

笹崎がチューハイを飲む。

「よくそんなこと覚えてるね。」

私はひたすら柿ピーをボリボリ食べる。

「全部聞かされてたからな。」
「そんなに話してた?」
「デリカシーないよな、ほんと。」

やっと笹崎の方を見る。
チューハイを飲み干してる。

「ほんとにずっと好きだったの?」

笹崎は上を向いたまま「うん」と言う。

「ふうん。」

私は笹崎の横顔を見つめる。

あの頃の私、笹崎の気持ちに気付かないふりしてた。
本当は分かってた。

最高の友達を失いたくなくて、関係を壊したくなくて、使い捨てもしたくなくて、必死で他の男の名前を出し続けた。

笹崎は全部話を聞いてくれてた。

本当は分かってたよ。

狭い1DKの部屋に2人。
咲良はスヤスヤ寝ている。

23時。
終電がなくなる前に笹崎は帰っていった。
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