2番目の恋
そんな話をしていると、隣の寝室から咲良が起きてきた。

「まま、ねんね。」

すごく眠そうで寝起きは機嫌もそんなに良くない。

私は立ち上がって咲良を抱っこする。

「はい、はい。もう朝だよ、ご飯あるよ。」

咲良は私にしがみついて「ねんね。」としか言わない。

笹崎が立ち上がる。

「なあー、さくらー」と頭を撫でる。

「俺、父ちゃんになっていい?」

ストレート過ぎる発言に驚いた。

「よくそんなこと言えるね。」
「だってそうじゃん、そういうことじゃん。」

笹崎はいつもまっすぐ前しか見えてない。

「結婚ってね、そんな簡単なことじゃないよ?」

そう言って咲良を抱っこしたまま台所に向かう。

プラスチック製のコップに牛乳を注ぐ。

「でもさー、頑張ろうよ。」

向こうから聞こえる笹崎の声。

私が目を向けた時、咲良がちょうど笹崎のところにダイブしているところだった。

「俺は頑張るよ。」

私は牛乳の入ったコップを咲良に渡す。
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