俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない
コロッケ日和

「お前、うちの創立記念パーティにくるんだって?」

凌ちゃんがコロッケを食べながら聞いてきた。

このコロッケのせいで、今日はえらい目にあった。何食わぬ顔で食べている凌ちゃんをじとーっと見る。


*◇*◇*


『晩ごはんはコロッケがいい。』

は?何を言い出すんだ、この男。

近くにいたナースがギョッとしたのがわかったが、私の方がびっくり仰天だ。

デリ番で心臓外科に搬入に行った私に投げかけられた言葉。

『早めに帰るから、コロッケな。
あ、いつも通り、普通のやつとカレー味の二種類で。』

そう言うと、凌ちゃんはスタスタと立ち去って行った。

私は、突き刺さるナースの眼差しに耐えきれず、ぐるっと向きを変えると、大急ぎでその場を立ち去った。

だからプライベートなことは大学で言うなっ!!

高齢のデリ蔵は労らなくてはいけないのに。急ぎ足で移動すると、デリ蔵に負担になるでしょ!

おのれ、凌介!許すまじ。

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