俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない

パーティは敵だらけ


まだ早い時間にもかかわらず、会場には多くの人がきていた。
私たちは受付を済まし、始まるのを待っている。

緊張で顔が強張っている香子に、ウェルカムドリンクを勧めてみるも、いらないと言う。

これはどうしたものかなと思っていたら、
「香子!」

王子様がきてくれた。

「晃ちゃん!」
香子は晃ちゃんの姿を見ると、泣きそうな顔になった。

「香子、とても綺麗だよ。今日は頑張ろうな。」
優しく頭をぽんぽんと撫でて、王子様は微笑かける。

それだけで、香子は穏やかな顔つきになった。

よかった…
香子にとって、晃ちゃんの励ましが何よりの薬よね。

「莉子も今日は見違えるほど綺麗だよ。香子のことよろしくね。」

王子様は私へのフォローも忘れない。
晃ちゃん、いいのよ。
イリュージョンって言っても。

「晃ちゃん、香子のことは任せてね。」
私はにっこりと答えた。

「まぁ!まぁまぁ!なんてかわいいんでしょう。」
賑やかに恵理子さんが登場した。

「うちのお嫁さんたちは誰よりも綺麗ね!」
うんうんと満足そうに言う。

だから、お嫁さんとその姉ね、心の中で突っ込む。

「本当に綺麗だ。私も鼻が高いよ。」
私たちには甘々の院長先生だ。

凌ちゃんは、私たちを見ると、一瞬目を見開いたと思ったら、眉をひそめて「チッ」と舌打ちをした。

こんなに不機嫌な顔は久しぶりだ。

私は戸惑ったが、香子は、
「ほんと凌ちゃんは成長しないよね。」と苦笑いだった。

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