HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
待望の妊娠
「院長夫妻…これはこれは…」

「何だ!!?今日は槇村の診察日だったのか…」

「そうですけど…あれ?俺には診察させないと言いませんでした?院長」

「言ったけど…仕方ないだろ…なぁー…瑞希」

「そうですね…」

「まずは問診ね…」
槇村先生は、待合で書いた問診票を見ながら、質問の答えを私に確かめていく。
「あれ?この十一番の質問、ナシになってるけど…」
「どれ?」
「性交渉の経験…なしに〇してるよ・・・あるでしょ?」
「あ、ゴメンなさい…」
「何だよ!?この質問は…プライバシーの侵害だぞ」
「院長はうるさいよ…」
「それよりも・・・尿検査の結果出てるだろ?で、どっちなんだ?槇村」
隼也さんはマイペースに診察を進める槇村先生に責め立てる。

「俺のペースで診察させてよね…」
「で、どっちなんだ??」
「勿論…おめでただよ…さっきの質問、ありに〇しとくね」
「ゴメンなさい…それよりも…槇村先生…赤ちゃん、デキてるって本当ですか?」




「うん…俺、普段は冗談ばかり言うけど、診察の時は嘘は言わないよ。おめでとう…瑞希ちゃん…院長も…」

「何か…お前に言われても…感動がないのは何故だ?」

「さあね…問診は終えたから…次は内診ね。瑞希ちゃん」

「内診ですか…?」

「言っとくけど疚しいキモチはないからね…瑞希ちゃんも院長も…」




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