HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
「隼也さんと彩芽もまた…瑞生さんと静佳のように許婚の関係だったけど…二人は相思相愛になった。私達も高木院長も、二人を温かく見守っていたけど…
静佳さんだけは二人の仲を猛反対した。高木家の後継者の産めない相手を貰うなんて…言語道断だって…彩芽に向かって吐き捨てたのよ…影で私と彩芽は二人で泣いたわ」

「お母さん…」

母は当時のコトを思い出し、瞳にはふわりと涙を潤ませた。

「私の知らない所で、そんなコトがあったんだ…」

「全ての元凶は私。
瑞生さんを自分から奪った私を。彩芽が私の娘だから逆恨みして、あんな酷いコトを言ったんだと思う。でも、瑞希貴方も彩芽にみたいに酷い言われないか心配だわ」

「私はお姉ちゃんと違って…繊細じゃないから大丈夫」

私は母にこれ以上心配させまいと虚勢を張る。

本当の私はお姉ちゃんと同じで繊細だと思う。だから、こんなにも隼也さんのコトで思い悩んで、苦しんでいる。

愛されていなくても
どんな障害があっても


私は隼也さんと一緒に居たい。


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