HONEYBEE(1)~アラフォードクターと一夜から始まる身代わり婚~
私達はウーロン茶を飲み干すと久世さんを置いて、バーレストランを出た。

路地を抜けると眩いネオンの輝きが一層輝いて見え、思わず目を瞑った。
人が大勢行き交う夜の通り。雑踏に紛れて駅に向かって歩いた。

「諦めの悪い相手ではなさそうね…久世さんは…」

「え、あ…」

「瑞希…貴方もはっきりと高木先生に訊きなさいよ」

「えっ?何を?」

「何を…唯一夜の責任を取って…結婚するのかどうか…瑞希はまだ・・・高木先生の本当のキモチ訊いてないでしょ?」

「訊けないよ…」

彼の本心を訊けば、今のある幸せが壊れてしまうんじゃないかと不安を感じていた。

「不安に思うのは分かるけど…ちゃんと訊かないと…久世さんの母親の二の舞になってしまうわよ」

「智咲先輩」

「ちゃんと訊くのよ…瑞希」

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